- 大阪市立科学館主任学芸員
- 嘉数次人
夕方や夜にふと空を見上げると、月や一番星が美しく輝いていたのを見つけたり、夜空で輝く星座を見たりした経験は、皆さんもお持ちかと思います。
毎日の忙しい生活のなかで、星空を見上げると、なんだかホッとした気分にさせてくれます。そんな星空をみなさんもゆっくり見てみませんか。
ではこれから、簡単にできる星空の楽しみ方をご紹介しましょう。
星を見る前に
| せっかくきれいに星が見えていても、星座や星の名前がわからないと、楽しくありません。 そこで必要なのが情報収集です。手軽な道具として一番オススメなのは星座早見盤です。 これは2枚のシートで作られたシンプルな物ですが、観察したい日時の星空をすぐに表示してくれる便利な道具です。 大きな書店などで扱われています。 また、図書館や書店に並んでいる天文の図鑑や書籍、月刊誌などを見たり、近所のプラネタリウムへ行ったりすれば、欲しい情報が手に入るでしょう。 最近ではインターネットのホームページも重要な情報源です。特に日月食や惑星、流星群などといった天体現象の情報は、星座早見盤には載っていないので本などで確認して下さい。 |
![]() ■星の観察に便利な道具。左から懐中電灯、星座早見盤、星の雑誌や年鑑類 |
どこで星を見たらいいの?
では、外に出て実際に星を見に行きましょう。まずは、皆さんが住んでいる街中で見てみます。場所選びの際は、次のようなことに気をつけて見てください。
①高い建物や樹木のために空が見えなければ、星空を楽しむことができません。空を広く見渡せる場所を選びましょう。
②星の光はとても弱いため、観察場所の近くに明るい照明があると、星の光が見えません。照明が近くにない場所を選ぶか、もしくは照明に背を向けるなどして、光が直接目に入らないようにしましょう。
また、人間の目は暗闇に慣れるまでに10分程度の時間が必要です。観察を始めたときは全く見えなくても、すぐにあきらめないのがコツです。
満天の星空を見るには
自分たちで星空観察をするのも楽しいですが、もっと詳しく星を見たいと思ったら、専門の施設を利用してみましょう。
最初は、科学館で時々開催している天体観望会に参加するのがオススメです。たいていの科学館は街中にあるため、満天の星は見えませんが、スタッフによる星座紹介や、望遠鏡で月のクレーターや土星の環などの観望ができるのが魅力です。
プラネタリウムのような満天の星空が見たいなら、街灯りの少ない郊外に出かける必要があります。そんな時に強い味方が「公開天文台」と呼ばれる宿泊可能な施設です。郊外の施設なら満天の星も楽しめますし、泊まりだと時間を気にせずにゆっくりと星空を楽しめます。さらに、備え付けの大型望遠鏡を使っての観望会は貴重な体験となるでしょう。
これらの施設では、星に詳しい専門スタッフがいるので、わからないことはどんどん質問してみましょう。
安全に星を見るために
星空を楽しむためには、星の知識だけでは不十分です。星空の観察は、夜に行なうものですから、安全面にもくれぐれも注意してください。例えば、以下のような点に注意して下さい。
①子どもだけで見に行かない:夜に野外にでかけることは危険を伴います。決して子どもだけで行かないで、必ず保護者の方と一緒に出かけましょう。町内会などで誘い合わせて、団体で見に行くのもいいでしょう。家に残っている人への連絡も忘れずに。
②危険な場所で見ない:屋外には治安の悪い場所や、車やバイクなどが通る危険な場所もあるので、場所選びに気を付けましょう。また、足の滑りやすい場所や段差のある場所にも気を付けましょう。
③近所迷惑にならないように:街の中で星を見る場合、夜に大声で騒ぐと近所に住む人たちの迷惑になるので、気をつけましょう。
持ち物としては、懐中電灯のほか、携帯電話や防犯ブザーなども持っておき、安全に楽しむようにして下さい。また冬はカイロ、夏は虫よけスプレーがあると便利です。
星空観察はアウトドア活動の一つですから、知っておかないと危険な事柄もあります。不安な場合は、アウトドアの専門家や科学館や天文台スタッフに相談するなどして、正しい知識を持って、安全に楽しむようにしてください。満天の星空が皆さんを待っていますよ!





